無事終幕!!!
Sending all my heart to Peter and Gunilla from Sweden who brought so many smiles to the Japanese audience.
リハが始まってから、あっという間の千秋楽でした!
毎公演、お客様は総立ち!
ミュージカル「マンマ・ミーア!」のエンディングさながら、みんな一体となってABBAの曲を歌って踊る♪
客席だけではなく、舞台裏のスタッフも歌って踊る♪
みんなノリノリ♪
「音楽には、人を笑顔にする力がある」
ABBAの楽曲を通して、みんなで人生を賛歌するような最高に素敵なコンサートになりました!
ここからは、2人の側にいたからこそシェアできる”Backstage story”を、一部ご紹介したいと思います。
今回は、ピーターとグニラの通訳、パンフにある2人の対談ページの翻訳・校正、そして、通訳の立場を超えて、演出の方面にまで携わらせて頂くことができ、学びの多い充実した時間を過ごすことができました。
コンサートがABBAの楽曲で殆ど構成されているなか、メンバーのビョルンとベニーが制作を手がけたミュージカル「チェス」と「クリスティーナ」からの楽曲も披露。
特に、この「クリスティーナ」(1995年初演)は、日本未上陸の作品なのですが、“Gold Can Turn to Sand”は、ピーターの歌手としてのキャリアを拓いた、ピーター自身にとって、とても思い入れの深い歌。
なかなか、MCの時間をゆっくり取れず制約があるなか、「この曲の背景をお客様に伝えたい」
というピーターの強い想いを汲み取り、作品の内容を殆ど知らないであろう日本のお客様に、曲の物語を伝える構成にできたことが、個人的にとても良かったなと思っています。
(“Gold Can Turn to Sand” - 19世紀末、金鉱を掘り当てようと、スウェーデンからアメリカを目指している道半ば、砂漠で亡くなった親友について、ピーター演じるロバートが恋人クリスティーナに語り聞かせる、という内容のナンバー。
スウェーデン語の“Gold Can Turn to Sand”:
https://youtu.be/e2tdBKFKOrU)
今回、2人をお迎えするにあたって、ステージ上のサポートはもちろん、オフの時間にどのようなコミュニケーションをとるのか、その内容に一番こだわっていました。
「どこを観光した?」「日本食は何が好き?」など、ありきたりな会話で終わらないようにすること。そのために、2人が何を大切にしていて、どんな価値観を軸に生きているのか、2人が辿ってきた人生に、事前に出来るだけ触れるようにしていました。
ピーターの楽屋にいた時、とても印象深い話をしました。
今回、ピーターの新作アルバム“HUMANOLOGY”の先行販売があったのですが、ここに “The Mask”という曲が入っています。
(“The Mask”: Peter Jöback -
https://youtu.be/_oHQcAKt2vg
曲の中に、こんな歌詞が出てきます。
“Nobody knows the man I hold inside
I play the part and wear a mask to hide
And it took me time to pull the monster from the man.”
ピーターは、ブロードウェイとウエストエンドの両方で、ファントムを演じているのですが、まさしく「オペラ座の怪人」の「仮面」を彷彿させるような内容。
曲のMVも見ていた私は、この歌詞は「オペラ座の怪人」に出演した経験から着想を得たのか?と聞いてみました。
すると、意外にも答えは”No”。
これは、自分自身についての物語であると語ってくれました。
自分は、機能不全の家族に育ち、ゲイであることも隠し、自分の人生を長く恥じていた。
でも数年前に仮面を外し「ありのままの自分」を隠さず、世にカミングアウトすることで、本当の人生を生き始めることができたのだ、と。
この地球上に住んでいる私たちは、多かれ少なかれ仮面を被って生きています。
今の社会を「ありのままの自分」で生きるのは、とても難しい。
そのような状況において、アーティストには、人前で、自分の仮面を外す役目があります。
アーティストが、板の上で、スクリーンの中で、心の奥底を曝け出して、命を輝かせる姿を見せることで、観客席にいる誰かが、自分も人生で向き合っている困難を乗り越えてみようと、一歩踏み出す勇気を貰える。
ピーターが舞台上で放つ強烈な光は、人生の大きな困難を乗り越えたからこその光なのだと、彼がなぜスターなのか、彼の強い魂に触れ、心が震えました。
アルバムのサイン会でも、ずっとピーターの側についていたのですが、お客様のピーターへの感謝の気持ちを一言も落とさずピーターに伝えようと、毎回その責任の大きさに、身の引き締まる想いでした。
今、私の目の前に現れる景色、新たな出会い、そして再会は、私を進むべき道へと導いてくれる大切な道しるべ、神様からのギフトだなと感じています。
お芝居を追求する情熱。
グニラにも、
「やり続けなさい!自分の心の声にyes!ってどれだけの人が言えるの?」
と、背中を押してもらい、またまた泣きそうに。
私も多くの人に生きる勇気を届けられるような表現者として、成長し続けていきたいです。
スウェーデン版の「マンマ・ミーア!」でドナ役を演じたグニラは、本当に太陽みたいに温かくて、最高にカッコいい女性です。
彼女の歌う “The Winner Takes It All”は、まさにドナ!圧巻の一言!!!
ドナ役を勝ち取るために、何度もオーディションを繰り返し、最後のコールバックで、ベニー・アンダーソンから直接「楽しい仕事やりたくない?」と電話がかかってきたというエピソードには、毎回客席も湧いていました。
そして、なんと!ドナ役として2年半にわたって務めた公演回数は、555回!!!
ミラクルすぎる!!!
(スウェーデン語の “The Winner Takes It All”:
https://youtu.be/Kc8XrZ5Mc9c)
映画「マンマ・ミーア!」のプレミアでは、メリル・ストリープに会い、2人で盛り上がったというお話も聞かせてくれました。
2人と過ごした一瞬一瞬が、愛おしいです。
今回が初来日だったグニラにも、そして今回が4度目のピーターにも、ぜひまた日本に戻ってきてほしいなと思います。
2人のスウェーデンのスターと、日本のお客様の橋渡しが上手くできたことを信じて。
底抜けに明るいABBAの世界と、まだまだお別れしたくないという気持ちを残しながら、私は、次の現場に入っています。
2019.7.29